英語を聞いていて、

「今なんて言った?」

「途中から全く分からなくなった」

「1単語聞き逃した瞬間に全部崩れた」

そんな経験はありませんか?

実は、プロの通訳者でも“聞き取れない瞬間”は普通にあります。

同時通訳の世界ですら、100%完璧に聞こえているわけではありません。

では、通訳者はどうやって会話を崩壊させずに理解しているのでしょうか?

この記事では、通訳者が実際に使っている「聞き取れない時の対処法」を紹介します。

1. 「全部聞こう」としない

英語学習者が最もやりがちなミスは、

一語一句、全部聞こうとする

ことです。

しかし通訳者は、むしろ逆です。

彼らは、

  • 重要情報
  • 話の方向
  • 結論
  • 感情

を優先的に拾います。

例えば:

Due to the unexpected weather conditions, the event scheduled for tomorrow has been postponed.

この文を100%聞き取れなくても、

  • weather
  • tomorrow
  • postponed

だけ拾えれば、意味はかなり推測できます。

2. 聞き逃しても“止まらない”

初心者ほど、

「分からなかった単語」

に意識を奪われます。

しかし通訳者は、聞き逃しても即座に切り替えます。

なぜなら、英語は後ろからも情報が補われるからです。

例えば:

The proposal, which was originally submitted in March, was finally approved yesterday.

途中を落としても、

  • proposal
  • approved yesterday

が聞こえれば、全体像は復元できます。

通訳では、

「失った情報を追いかけない」

ことが非常に重要です

3. “内容予測”を常にしている

通訳者は、聞きながら次を予測しています。

例えばビジネス会議なら、

  • 売上
  • スケジュール
  • 問題点
  • 提案
  • 締切

など、出やすい話題を先回りしています。

つまり、

「聞く」というより、“予測を確認している”

感覚に近いのです。

これがあると、一部聞こえなくても補完できます

4. キーワードだけで骨格を作る

英語を全部訳そうとすると崩れます。

通訳者はまず、

  • 主語
  • 動詞
  • 数字
  • 固有名詞
  • 否定
  • 日付

などの「骨格」を拾います。

例えば:

Sales in the Asian market increased by 15 percent during the second quarter.

重要なのは:

  • Sales
  • Asian market
  • 15 percent
  • second quarter

です。

細部が多少飛んでも、話の軸は理解できます。

5. “分からないまま進む力”がある

これはかなり重要です。

英語上級者ほど、

「完全理解してから次へ行く」

のではなく、

「7割理解で進む」

感覚を持っています。

なぜなら会話はリアルタイムだからです。

聞き返せない場面では、

  • 完璧主義
  • 全文理解への執着

が逆にリスニングを壊します。

6. 音ではなく“意味の塊”で聞く

初心者は:

one word at a time

で聞きます。

しかし通訳者は:

meaning chunk(意味の塊)

で処理しています。

例えば:

at the end of the day

を、

  • at
  • the
  • end
  • of
  • the
  • day

と分解せず、

「結局のところ」

という1セットで認識します。

これが速い英語についていける理由です。

7. 知らない単語があっても焦らない

通訳者でも知らない単語は出ます。

ですが、多くの場合、

  • 前後関係
  • 話題
  • 話者の意図

から推測します。

実際、ネイティブ同士でも、

知らない単語を完全理解せず会話していることは珍しくありません。

8. “英語を日本語に変換しすぎない”

初心者は、

英語 → 日本語 → 理解

をしています。

しかし通訳者は、

英語 → イメージ

で理解していることが多いです。

例えば:

The meeting was called off.

を、

「会議は中止された」

と逐語変換する前に、

「予定が消えるイメージ」

で処理しています。

この処理速度の差はかなり大きいです。

9. TOEICリスニングでも使える考え方

TOEICでも、

  • 全文聞き取れない
  • 一瞬飛んだ
  • Part3・4で崩れた

ということは普通にあります。

そんな時は、

  • 人物
  • 場所
  • 数字
  • 問題点
  • 次の行動

だけを拾う意識に変えると、立て直しやすくなります。

特に最近のTOEICは、

「全部聞けた人」より、

「崩れずに最後まで耐えた人」

が強い試験になっています。

まとめ

通訳者は、“全部聞き取っている人”ではありません。

むしろ、

  • 重要情報を拾う
  • 推測する
  • 流れを維持する
  • 聞き逃しても止まらない

という技術に長けています。

英語リスニングで本当に重要なのは、

「完璧に聞くこと」

ではなく、

「崩れずに理解を続けること」

です。

聞き取れなかった瞬間に止まる癖を減らすだけでも、リスニング力はかなり変わってきます。

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投稿者

ISE 伊勢

気ままに暮らすのが何よりの幸せと思っているわりには、結局、英語の仕事でバタバタしている散歩愛好家のISE(伊勢)と申します。